私は強い。強さこそが私の価値で、その為だけに生み出された。
屍の上でこその存在。
血塗られた紅に染められてこその私。
血を見せて。私に価値を頂戴。
誰よりも強くなければ。
「クッ……!」
肩に熱い痛みが奔る。
目の端に映った紅に苛立ちが湧いた。
これは私の血だ。これではいけない、紅は他者の血でなければ。
キン、と耳障りな音が響き刃が止められた。
煩わしい、うざったい、こんな音は要らない。
欲しいのは肉を引き裂く感触、聞きたいのは断末魔の呻き声。
なのに何故、この男は……!
「やるじゃない!」
まだ一太刀も浴びせていない。
有り得ない。
私の方が強いのに。
思い切り腕を振り下ろした。
また止められる。
擦れ合う刃。煩わしい。
押し合って、押し切る筈が、
返されていた。
有り得ない力で、吹き飛ばされる。
男が遥か遠くなっていくのは何故?
剣の圧力に負けたのは私。
私が弾き飛ばされていた。
有り得ない。
思い通りにならない。許せない。
――――――――気付いたら男に背を向けていた。
逃げてる? 何故?
有り得ないもの。
私より強い存在が外に?
そんな筈ない。ふざけないで。
そう
この前だって、あの黒髪の男を吹っ飛ばしてやったじゃない。
腹に穴開けて、マテリアを取り出してやった。
あいつだって化け物なのに、私の方が強かった。
そう、まずはアイツ。
あいつと先に戦ったんだから、決着をつけるのもあいつが先。その方がいい。
私の方が強い。私は強い。それだけが価値だから。証明してやる。見せてやる。私の力。
振り返らない。
あいつを倒して、それからあんた。
逃げたんじゃない。
クラウドと戦ったロッソが何でヴィンセントの前に現れたのか疑問。