宝石を縛る5つの性





1、緑色の宝玉は、疵を持たずに生まれ得ず

  セフィロス

  月光の祝福を受けた銀髪の子は緑の眼を持っていた。
  それは疵を受けた母からの継承。
  人の手に落ち利用された母が、人の母を疵付けて生まれた子であるという証。
  その子が持つエメラルドの輝きは命の奔流に似てとても美しかった。



2、同種のモノでありながら、相似を拒む二色(にしき)の石

  セフィロスとクラウド

  戦闘の為に作られたソルジャー。
  人間として生まれる筈だった者と、かつて人間であった者。
  同じ細胞を持ちながら、月と太陽のように、金と銀のように、彼らは永遠に対極である。
  それは丁度コランダムでありながら真逆の色を持つルビーとサファイアのように。



3、邪魔者扱いされ続け、それでも輝き珠となりて

  クラウドとエアリス

  人外の者などいなくなればいいと人である者は言う。
  だが人外の男が戦って得た平和を
  人外の女が祈って呼んだ白い光を
  今も水底に沈む古代種の真珠を
  その人は知らない。



4、夜と昼とで姿を変える、石自身に罪はなく

  クラウド

  光と闇。炎と氷。闘争と平穏。強と弱。
  それら全てが彼を覆えば、彼は応じて変化する。
  移りゆく不安定な感情は、恐らく人には恐ろしいことだけれど。
  アレキサンドライトに罪は無く。



5、何よりも硬いその石も、熱には弱く、脆くあり

  クラウド

  彼をダイヤのようだと言った者がいる。
  何よりも硬質で強固である絶対の宝石。
  誰も彼に近付くことは出来ず、彼に影響することは出来ない、と。
  けれど彼が向けられる愛情に、人の情に、誰よりも軟化されることをその者は知らない。






宝石を縛る5つの性 Fin.
配布元 蝶の籠