01.さようなら愛しいひと
お前を守れて良かった。
襤褸屑のようにこの体が壊れても、お前が生きていればそれでいい。
大切な奴を守って死ぬなんて男として最高の生き方じゃないか?
なりたかった英雄ってそういうもんだろ?
……本当はお前と一緒に生きたかったよ。
さようなら愛しいひと
本当は生きたかったに決まってる。
02.忘れるよりも思い出すのがこんなに苦しいなんて思わなかった
ザックスを忘れた瞬間なんて覚えていない。
記憶は曖昧であやふやだった。
哀しかった? 罪悪感? 寂しかった?
知るもんか。
ただ分かるのは、もうあいつがいないってこと。
俺を見捨てずにいてくれたあいつがもう世界の何処を探してもいないってこと。
悲しい? 罪悪感? 寂しい?
――――そんなこと考えられないくらい苦しい
世界の何処を探してもいないって辛い。
03.白い封筒は眩し過ぎて恐ろしくて、読むことなんてできなかったの
あなたから手紙が届きました。
何も書かれていない真っ白の封筒がポストに入っているのを見た時、
何故でしょうか、あなたからだと私には直ぐに分かりました。
けれどごめんなさい。暫く読むことが出来なかったの。
あなたの送った真っ白の封筒は白すぎて、眩しすぎて、恐ろしかった。
その中に何が書かれているのかを読むのが怖かったのです。
さようならなんて言わないで下さい。
もう会えないなんて言わないで下さい。
あなたがいなくなっても、私はいつもあなたを思っています。
あなたは何処にいるのでしょうか。
あなたは何をしているのでしょうか。
元気に、していますか?
あなたからの手紙を読みました。
さようならなんて言わないで下さい。
もう会えないなんて言わないで下さい。
私があなたと同じ道を生きることが出来なくても、いつかまた約束の場所で会えると信じています。
ティファからクラウドへ。
クラウドが不老の体だとして、いつかティファから離れていってしまったらという設定。
04.あなたの心に私が居るなら、それでいいの(たとえ会えなくとも)
あなたは責める。
引き摺っているもの、自分でどんどん重くして、苦しみながら引き摺っている。
どうしてそんなに苦しむの?
私のことも彼のことも、あなたは自分の所為だと言ってしまうけど
そんな風に思ったこと、一度も無いよ。
ねえ知ってる?
ザックスと私の望み、同じなんだよ。
あなたは叶えてくれてるじゃない。
“あなたの心の何処かに私達が居ますように”
(たとえ会えなくとも)
エアリスからクラウドへ。
05.あと一歩の勇気 あと一言の覚悟
もう少しでお前の唇に触れられる距離に俺はいる。
友達としてぎりぎりの距離。
十数センチの距離にお前はもう戸惑い始めてる。
確かに友達じゃぁ近すぎる顔と顔。
離れればいいのに、お前はただそのまま無邪気に俺を見つめてくる。
俺達の距離は決して開くこと無く、縮むことも無く。
お前はそれでいいかもしれない。
でも俺は嫌なんだ。
お前に触れたい、抱きたい。全身で全身を。
この距離を詰める、俺にはあと一歩の勇気が必要。
でも出来れば
お前にも俺を抱き締めて欲しい。
だから好きだと言ってお前を口説く、一言の覚悟も。
ザックス→クラウド。
センチメンタル5題 Fin.
配布元 Vel 様