幸せ家族計画





  スコールは近所に新しく出来た大規模ショッピングモールにクラウドと来ていた。
  家具を買い後は別行動で各々買い物を済ませ落ち合うことにしたのだが、その待ち合わせの 時刻になってもクラウドが来ない。
  遅れるなんて珍しいな、と思っていると下りのエスカレーターから降りてくるクラウドと、 その手の先に小さな女の子の姿が見えた。
「悪い遅れた」
  スコールに近寄って短く謝るクラウドの手に繋がれたその子を見れば事情は分かったのだが、 あまりにその組合せが似合いすぎていたので
「誰の子だ?」
  と訊けば
「俺の子」
「!?」
「……嘘だよ」
「……嘘か」
  冗談なのは分かっていた筈なのにスコールはほっとした。
「迷子か?」
「ああ。三階で一人ぼっちでしょんぼりしてたから声を掛けたら、母親と逸れたって」
「無責任な親だな」
  大方買い物に夢中になって子供の手を離したのだろう。
  昨今は物騒だからそういう些細なことが犯罪に繋がりかねないというのに。
「全くだ。一緒に近くを探してみたが見つからなかったから、これからインフォメーションに連れて行こうと思って」
  溜息を吐いてクラウドが子供を見下ろすと、子供は不安そうにクラウドを見上げぎゅっと彼の手を両手で握った。
  ぎゃあぎゃあ喚く子供は鬱陶しいが、こういう子は嫌いではないとスコールも思う。
「心配するな。大丈夫、ママに会えるまで一人にはしないから」
  クラウドが屈み込み視線を合わせてその子の頭を撫でてやる。
  泣きそうだった幼い顔がほっと緩み、ぎこちなくも愛らしい笑顔になった。
  ほんわりと和むその光景につい、
「あんた良い母親になれるな」
  言ってしまいスコールははっとした。飛んでくる蹴りに備えガードする。が
「お前が父親になるか?」
  とクラウドはあっさり返して来た。
  その普通すぎる反応に、これはもしやさり気なさを装った逆プロポーズという奴だろうかと考えて
「ああ!」
  きっぱりとスコールは返事した。
「いや無理だから」
  キッパリと拒絶されたのは言うまでも無い。