クラウドが部屋に入るとソファにデンゼルがいた。
が、身動きしない。
クッションに凭れながら両膝を抱えて丸まり、頭は傾いたまま眠っているようだ。
「器用だな……」
裸足の小さな足先が組まれ全体のバランスを取っているけれど、この儘では首が攣りそうな気がする。
クラウドはふわふわの巻き毛の側頭部に手を添え負担のかからないようそっと動かして、楽になるようクッションもずらしてやった。
ん、と微かに唸ったもののそれでも起きる気配の無いデンゼルに毛布を掛けると、デンゼルはそれが気持ちいいのか顔を半分毛布に埋めて眠り続ける。
覗き込むと、すうすうと子供の可愛いらしい寝息が間近で聞こえた。
(いとおしい、な)
赤子に母が見せるような笑みを綻ばせ、クラウドはその栗色の髪を撫でた。