クラウドが帰ってこない。
ある日から、クラウドが帰って来なくなった。
ティファが時々下を向いて溜息を吐くようになって、マリンは時々怒ったような顔をしていた。
(みんな、待ってるのに)
どうして帰って来ないんだろう。
何をしているんだろう。
「何かあったのかな……」
ティファがそう呟いていたけど、クラウドは強いから、モンスターにやられたなんて思わない。
じゃあなんだろう、何があったんだろう?
―――クラウドのデスクの上の写真立てを見た。
(これを撮ったのはいつだっけ?)
おれがここに来て、一緒に住むようになってまだそんなに経たない頃だ。
マリンの父さんが撮ってくれた。
店の前で、みんなで立って、クラウドはわざと端っこに写りたがってるみたいに少しティファから離れてた。
何でだろう、あの時から? おれ気付かなかったけど、クラウドはここから離れたかった?
「わかんない」
そんなこと、ないよな? クラウドは帰ってくるよな。
写真の中のクラウドの目はちゃんとこっちを向いていて、傍にいなくてもクラウドはちゃんとこっちを向いていて。
だから帰ってくるよ。
「クラウド……」
頭がいたい。クラウドがいた時はこんなに痛くなかったのに。痛みもなくなったのに。
手元にあるのは写真一枚。
お気に入りの、写真一枚。
なあクラウド
早く帰ってきて。