「かーっ! あいつ全っ然ナマってねぇなー」
バハムートと単身対峙するクラウドを見てシドが嘆息した。
さすがクラウド。連続で斬りつけるクラウドの猛攻に押されバハムートが落ちていく。
が、敵もさすがは召喚獣で、ダメージやら恐怖やらを感じている様子も無く大きく羽ばたいて上昇しだした。
「おい」
「ああ」
バレットの呼び掛けにシドが答え、他の仲間も頷いた。
今何をすべきかを瞬時に通じ合えるのは、こっちだって歴戦の仲間同士、阿吽
の呼吸って奴なのだ。
「よっし!」
ユフィは威勢よく叫んで自分の持ち場についた。
バレットからシドへ、シドからナナキとケットシーへ、そしてユフィへ。
クラウドが下からの勢いのままに近付き、ユフィはクラウドの足を抱えて思い切り
上へと引っ張った。
高く上昇していくクラウドを下から見上げる。
クラウドはヴィンセント、最後にティファへと引き継がれ、空を跳び駆ける。
膨大なエネルギーの球体に突っ込んだクラウドだったが、彼が無事であるこ
とは誰もが知っている。
一同が見守る中球体を突き抜けたクラウドの小さな影がバハムートの上へと消え、
次の瞬間カッと蒼い閃光が見えた。
バハムートのそれより濃く光るそのオーラは、クラウドとの旅の途中幾度
も目にしたもの。
力を失って落ちていくバハムートを視認する。
「……!」
召喚獣をも切り裂いた蒼い影から目を離せずに、ユフィはぱかりと口を開けた。
(やっぱ、凄い)
久し振りに見るクラウドの戦い振りに、何だか懐かしい嬉しさのようなものが込
み上げてくる。
人には絶対言えないが、旅の間何度も見入ってしまった、クラウドのユウシなのだ。
戦いの終了に数度宙で回転しバランスを取りながら鉄骨の上へと降り立ったクラウドは、すぐにまた
俊敏に飛び降りて行ってしまったけれど。
「いっそがしいねぇ、あいつも」
まーったく、とユフィはワザとらしい溜息を吐いて首を左右に振りながらも、
(かっこいいじゃん)
と笑った。