「は、ァ……ぁ、」
開かれた脚の間に顔を埋め舌を巧みに這わせては握り扱いてくる男の髪に斎藤は震える手を伸ばした。
ひじかたさんと縋るように呼べば、彼の男はちらりと顔を上げ恐ろしく艶のある眼差しを向けてくる。
「……っ」
眩暈がした。使い所を心得たこの目に一体どれだけの女が囚われただろうか。彼自身己の目が持つ力を熟知しているに違いなかった。
「斎藤、」
長い時間を掛けて全身を舌で辿られた挙句、散々に与えられた責め苦の所為で斎藤は限界まで張り詰めている。
その汗と涙と別のものに濡れた鮮魚のような痴態に限界を感じるのは土方も然りで。今の今迄斎藤の欲望の飛翔を塞き止めていた指を、
土方は漸く強く擦るようにして外した。
「ッう、……アぁ!」
斎藤が喉を反らせ白濁が飛び散る。すぐに土方は彼の中に押し入った。
両脚を抱え上げ、ぐっと突き刺すように最奥を目指して。
充分に慣らしていた筈だったが久し振りの其処はまだ少し固い。
そのことが離れていた間他者の侵入を許さなかった証のように思えて思いの外安堵する。
ぐちゅぐちゅと濡れた音が響く中斎藤は必死に息を継いでいた。
「は……は、ぁっ、……ん!」
構わずに土方は動き出す。緩急を付けることなく斎藤を貪るように激しく。
珍しく気遣う余裕が全く無かった。気遣えない代わりに言い訳のように口にした。
「お前を伊東の所にやってる間……、可笑しなくらい、落ち着かなかった」
荒く息を吐きながら苦しげに眉を寄せた土方に斎藤は目を瞠る。が、やがて淡い笑みを見せて土方の髪をゆっくりと掻き撫ぜた。
「俺も、です」
繋がってから視線はずっと交差した儘だった。求める律動を止められなくなる。初めから止める気など無くとも、絶対に止められない欲情
というものを斎藤と会って初めて土方は知った。
「……すまねェな」
何に対する謝罪なのか分からない。間諜という長く辛い任務を強いたことにか、それともまた彼を外で危険な護衛の任に就かせることにか。
そんな風に厄介ばかり押し付けるくせに体まで深く侵していることにか。
されど手離せないことにか。
ずんと最奥を突き上げた刹那斎藤の体が一際大きく揺れる。
「っは、ぁ、アあ――――!」
「ッ、さ、いとう」
再び下で達していく斎藤を白い視界に認めながら歯を噛み締めて、同時に土方は滾る欲望を吐き出した。