スコールには今、気になっている人がいる。
気になっているという言い方はどうも逃げ腰で中途半端な気がするが、それも仕方の無いことだった。
バラムガーデン保健室。スコールの想う相手は其処にいる。が、断っておくがカドワキ先生ではない。
人柄の良さと肝っ玉の太さでガーデン生の人気があるのは確かだが、彼女は数日前に体調を崩し今ガーデンに来ていない。
そこで一週間彼女の代わりの臨時養護教諭としてこのガーデンにやって来たのがクラウドという人物であった。
要するにスコールの気になっている人というのはこのクラウドのことなのだが、その名の通り彼は女性ではなく男性で、そのことが
スコールの心に大きな躊躇いと困惑を生み出す原因だった。
「……はぁ」
溜息を吐いてみても問題は解消されない。
好きなのだろうか。好きかもしれない。でも相手は男だ。だから有り得ない。
何度頭の中で繰り返しただろう。
繰り返しながら、今日もまた餌場を覚えた猫のようにクラウドの元へと勝手に歩き出すこの足が煩わしい。
保健室に向かいながら、スコールは切なく息を吐いた。
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