初めてクラウドに会ったのは三日前、サイファーとの訓練と銘打った喧嘩で額に傷を負った時のことだ。
気を失ったスコールが目を覚まして初めて見たのがクラウドの顔だった。
ぼやけた視界にあるその顔は白く美しく、不思議な色合いのブルーがこちらを見つめていた。
……天使?
心中で思っただけの言葉は口に出ていたらしい、その顔はくすりと笑うと「白衣のな」と返してきた。
そこで意識がはっきりし始め、感じたのは額に翳された手と其処に集まる癒しの光。
スコールの頭が働き出したのを察したのか、白衣の天使――もとい白衣を着た金髪の人物が言った。
「此処は保健室。額の傷はもう少しで塞がるし、傷も残らないから安心していい」
「………(そういえばカドワキ先生はいないんだった……)」
「お前の喧嘩相手……サイファーって奴の傷の方が深かったから先に治療したけど、あいつから喧嘩を吹っ掛けたらしいな」
「………(ということはこの人が臨時の養護教諭……)」
「俺にも悪態吐いてきたからぶん殴っておいた。折角治療してやったのに馬鹿な奴だ」
「………(何やら教員らしからぬ言葉を聞いた気がするが、……綺麗だな)」
スコールの頭が春になり彼の顔で一杯になったのはその時からだ。
「……おい、大丈夫か?」
覚醒した筈なのに聞いているんだかいないんだか分からない様子のスコールを心配して覗き込んできた間近の顔はやはり綺麗で。
「――あんた、名前は?」
興味が無くこれまで知ろうともしなかった臨時養護教諭の名を、殆ど衝動的に訊ねていた。
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