Don't fight for me.・オマケ





  臨時養護教諭クラウドがガーデンに来てから十日が経ったある日、二人の女生徒が校庭を歩きながらぺちゃくちゃとお喋りを していた。
  美味しいスイーツの店、先生の悪口、気になる男子のこと……と話は尽きないが、
「そういえばさ」
  と一人がある話題を持ち出した。
  それは六日前に発生した事件のこと。即ち、『クラウド・ストライフ先生を巡るスコールとサイファーの愛のバトル』改め 『クラウド争奪戦』のことだ。
  始まりはクラウドを巡ってスコールとサイファーが戦う筈だったらしいのだが、そこでクラウドの爆弾発言「俺を倒した者に俺をやる」 が飛び出し、クラウドvsスコール&サイファーとなった。
  ここまでなら別段複雑なことでもなかったのだが、黙っていなかったのはそれを見ていた、或いは聞いた他の生徒達だ。
「そんなこと言うなら俺達だってクラウドが好きだから参戦する権利がある!」
  と言わんばかりにクラウド本人やライバルであるスコールとサイファーに襲い掛かり始めたのだ。
  六日前に始まりこれまで彼らにバトルを挑んだ生徒達の数は知れない。
  ガーデン内は混乱し情報は錯綜した。
  流れる噂は誰がぶん殴られただの誰に吹っ飛ばされただの、大抵はスコール、サイファー、クラウド以外の負けを知らせるものだったが、 あまりに人数が多かった為その真偽は定かではない。誰が勝つかの賭け事も行われ、莫大な金銭が動いたとか動かなかったとか。
  ――その騒ぎの張本人、クラウドであるが、実はまだガーデンに滞在している。
  本来一週間だけ保健室に勤務する筈だった彼であるが、カドワキ先生の体調は未だ優れず、一週間でなく彼女の体調が快復するまで勤務、 ということになったのだ。
  その為クラウド争奪戦の期限が、最初の彼の滞在予定最終日なのか、それとも彼がガーデンにいる間はずっと有効なのかで意見が分かれたことも 混乱を招いた。一応、前者の説が有力なようだが、今でも彼らに飛び掛かってみる生徒はいる。
  しかし最盛期よりはかなり落ち着いていて、誰かが勝利を手にしたという噂も聞かない。
「結局結果はどうなったんだろうねぇ?」
  女生徒Aが首を傾げて友人に意見を求めた。
  女生徒Bは腕を組んで唸る。
「うーんそうだねぇ、きっと……」



      スコール