「――そこまでだスコール」
甘やかに変化しようとしていた雰囲気を壊す低い声が背後から聞こえた。
スコールははっと顔を上げる。この邪魔な声は……
「サイファー!」
「二人きりの保健室でセンセイに手を出す……てめぇがそういう奴だったとはな。驚いたぜ」
反射的に身を起こしたスコールはぎりっと唇を噛んだ。
(よりによってコイツに見られるとは)
サイファーは片手を腰に当てニヤリともせず立っている。
いつもの嫌な笑みも見せない彼は何やら怒っているようだが、何を怒っているのだろう。
兎に角こうなったら学校中で何を言われるか分からない。だが既に見られてしまったのが事実だ。スコールは開き直った。
「お前にどうこう言われる筋合いは無い。俺はクラウドと話がある。出て行って貰おう」
真っ直ぐに睨みつける。
「出てけだと? 色気づいた兄ちゃんが。いつの間にクラウドに近付きやがった」
「あんたに関係無い」
「てめぇは二言目にはそれだな。残念だけど関係あんだよ」
そう言うとサイファーは一気に剣を抜いた。
「決着をつけようぜスコール。……どっちがこいつに相応しいかってな!」
……何を言われたのか分からなかった。
「……は?」
スコールは口を開いた儘固まった。
いつの間にか上半身を起こしていたクラウドもぽかんと口を開けている。
「表に出な!」
そんな二人には構わずサイファーは言い放った。既に踵を返しドアの方へずんずん歩いていく。
スコールの脳内は猛スピードで情報を処理していた。
<サイファーはどっちがクラウドに相応しいかと言った>⇒<サイファーはクラウドが好き>⇒<俺も好き>⇒
<どっちが相応しいか決着をつける>⇒<バトル決定>
処理された情報は次にスコールの肉体を動かす。
「望むところだ!」
「お、オイ!」
困惑するクラウドの静止の声も聞かず、血気盛んな二人の若者は保健室のドアを開け放ち外へと出て行った。
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