Don't fight for me.・7





  ―― 一時間後。
  スコールとサイファーは、ガーデンの中庭で仲良くひっくり返っていた。
「…………」
「…………」
  完全に消耗して起き上がる気にもならない。精神的にも肉体的にも、だ。
  まさかクラウドが――
「あんなに強かったなんて……」
「……ああ。有り得ねぇ」
  こう言っては失礼だが、ただの治療に長けた保健室の先生に過ぎないと思っていたのに。
「SeeDより強いっておかしいだろ……」
  そう。どうしても戦うなら俺を倒してからに、と言うから戸惑いながらも寸止めにするつもりで襲い掛かってみたサイファーを、 クラウドは何とあろうことか、吹っ飛ばしたのだ。
「俺に手加減は要らないって分かったろ?」
  地べたに尻をついて呆気に取られるサイファーに剣を向け微笑むクラウドの顔は小悪魔のようで、その表情にドキっとするもそんな場合で はなく。
  あれよあれよという間にクラウドのペースに乗せられ、スコールvsサイファーの筈が何故かvsクラウドになって しまった。
  そして結果はコレ――情けないことに、惨敗だった。
「いきなりラスボスに出くわした気分だ」
  スコールは今の気分をそう形容し、サイファーもまたそれに頷いた。
  同じ相手を好きになり、同じ相手にコテンパンにやられた二人の間にはいつになく友好的な空気が流れている。
「なぁ」
  サイファーが呟くように言った。
「何だ」
「アイツ、自分より弱い奴とは付き合わないって言ってたよな」
「……ああ」
「一時休戦しねぇ?」
「――いいだろう」
  二人の考えは珍しく一致していた。
(まずはアイツを何とかしないと)
  二人掛かりだろうが何だろうが、まずはクラウドに勝たなければ。
「二人同時に来てもいいよ。俺に勝てたら二人の“相手”をしてやる」
  天使の顔をしたクラウドは白衣を脱いだら悪魔だった。完全にノされた二人を見下ろしながら、それはそれは妖艶に、彼はそう言ったのだ。

  クラウドが臨時養護教諭としてガーデンに滞在するのはあと三日。
  果たしてそれまでに二人がクラウドゲットの資格を得られるのか。
  それは――







      Fin.    オマケ

Don't fight for me. Fight with me!
<俺の為に争うな。むしろ俺と戦え!>